馬好きのひとりごと

主に競走馬のことを綴ります

頑張った!

ココロノアイの思い出を勝手に綴るの前に・・・どうしても書きたいレースがあったので、先に書いちゃおう。

私の弱いおつむがこの感動を忘れる前に。笑。

書きたいレースと言うのは、そう第77回 菊花賞

三歳馬にとっての最後のG1レースです。

いろいろなお馬を勝手に応援させていただいておりますが、その1頭にエアスピネルという馬がおります。

彼のことを少し、私の偏った見方でご紹介しますと・・・。

とにかく頑張り屋さん。←私はそう思っている。↓

どんなレースでも必死に食らいつく走りで周囲に感動を与えてくれるお馬さんです。

みんな頑張って走ってるんですが、最後のひと粘りがすごーく魅力的なお馬さんなのです。

 

そんなエアスピエルは良血馬の期待に応え新馬戦で快勝、続く2戦目ではデイリー杯GⅡで圧勝。

これは強い、と期待されて臨んだ3戦目の2歳G1朝日フューチュリティでは母同士でもライバルにあたるリオンディーズに僅か及ばずの2着・・・。

リオンとエアスピネルはレース毎に親子対決で騒がれていたりもしますが、それまで書くとただでさえ長めのブログがより長くなるので省略。苦笑。

その後、エアスピネル弥生賞(2000m)でもリオンディーズに先着できずに3着。ここで3着に沈んだせいで、距離不安がささやかれ始めます。

そして、それを裏付けるようにエアスピネル皐月賞G1(2000m)4着、東京優駿G1(2400m)4着。

3歳クラシックで着内に入ることが出来ないレースが続き、周囲からは益々距離不安説をささやかれます。

確かにエアスピネルにとって2000m以上のレースより、1800mまでのほうが向いているとは思います。が、長すぎて全く走れていないというよりも、かなり好走しているように見えました。

レコード決着の弥生賞やレコードに迫る時計だったダービーで3、4着になれる馬が何故こうも距離適性をどうこう言われるのか??私としては本当に不思議でした。

瞬発力に欠けるのは確かですが、誰よりも長く良い脚を使えるのがエアスピネルです。

周りが脚を温存している分、ゴール前での上がり勝負になると、好位で粘っているエアスピネルの脚が止まって見えます。まるで急減速しているように錯覚するのですが、エアスピネルの脚が止まったことは一度もありません。最初から誰よりも長く良い脚を持続させています。ファンならばそこに気づくはずです。

現3歳が最強世代と言われているのは、それだけ切れる脚をもった速い馬が多いからでしょう。

そんな中で、これだけ堅実に走っているエアスピネルに対し、長距離は無理、減速した、完全に足が止まった等々と言われるのはなんとも心外。

そんなもやもやした中で迎えた菊花賞の前哨戦、神戸新聞杯

切れる脚を持たないエアスピネルは前目~中段ポジションでのレースがいつものパターンでしたが、この日は鞍上の武さんが最後方からのレースを試しました。

明らかに菊花賞を見据えての、それを実戦で試した乗り方。

馬券を買っている方からすれば確かに「何してんの?!」です。

レース後はあちこちで結構な批判が上がってました。まぁ、言いたくもなりますよね。私も言いたかったもん。苦笑。

いかにエアスピネルを応援していても、あの位置から届くはずがありませんから。当然、結果は届きませんでしたが、意外だったのはそれでも掲示板確保の5着には来たのです。

おそらく武さんも「これならイケるかも」と思ったのではないでしょうか。

好位で我慢がきけば3000mでも走れると。

 

そして迎えた本番『菊花賞

エアスピネルは最終6番人気。前評判で「調教がとてもいい」と書かれながらも、サトダイ、ディーマ以外では、夏の上り馬たちばかりが注目株に。

そして再び囁かれるのが距離不安。内枠有利の菊花賞エアスピネルが引き当てたのは7枠13番。この外目の馬番になったことも大きかったと思います。

距離に不安なんてない!と私は周囲の競馬仲間に断言しつつも、さすがに馬券の軸には出来ずに浮気。ごめんね、エアスピネル。でも、馬券からは絶対外さないからね、と心で言い訳をして予想しました。苦笑。

そして、とうとう菊花賞開催のファンファーレが鳴り響き、馬たちが続々とゲートイン。

ゲートが開くとエアスピネルは少しでも距離のロスを減らすため、武さんエスコートですぐにコースの内を目指しました。

きっちりと内目中段のポジションを確保したものの、この日のエアスピネルはなんだかものすごーく掛かってます。

一抹の不安・・・。

そんなに暴れて大丈夫?3000mをこれから走るのだから、体力はなるべく温存しましょうか・・・。と、遠い場所から念を送ってみる。苦笑。

いつになく行きたがる様子に、鞍上の武さんも必死にエアスピネルをなだめます。引かれたままの手綱に、エアスピネルは顔を左右に振り抵抗、それでもここは我慢!武さんは手綱を操りながらも決してその手を緩めませんでした。

そして、最終コーナーを回りゴールまで3ハロンくらいか?のびのびと走ってくるエアスピネルの姿が画面に映ります。

私にはそう映りました。

頑張れ!ガンバレ!がんばれーエアスピネル

距離不安とか、適性はマイルとか、言いたい人たちには言わせていいじゃない。でも貴方の脚なら粘れるはず!

一頭抜けた力量のサトダイがスルスルーっと抜け出してきましたが、それに食らいつき粘りを見せたエアスピネル

最後の最後で、終始落ち着いた走りで脚を温存していたレインボーラインに鼻差で差されてしまいましたが、終始掛かりっぱなしで走ってのあの差なら立派!

エアスピネルは本当によく頑張りました。

今日ばかりは武さんの力もかなり大きかったですけどね。エスコートをありがとう、武さん。

さすがは菊花賞4勝ジョッキー。

おかげでエアスピエルのこれまでの努力が、3着であろうとも報われました。

あのエアスピエルの懸命な走りと粘りは、きっと多くの競馬ファンの心を打ったと思います。

勝ったサトダイは強い!そして、最後にあそこまで追い上げてきたレインボーラインもスゴい。

でも、一番の見せ場はエアスピエルの粘りだったと思います!

距離不安のある馬があの粘りを見せれましょうか?

最初の1000mの早い流れ、真っ先に脚を使ってのポジション取り、以降はずーっと掛かりまくって暴れ気味、それでも最後の3ハロンはスルーっと伸びてそのまま止まることなく粘りこむ。

これでもまだ距離不安なんていう人がいるのなら、みる目が無さすぎです。

中には、着狙いの走りとかいう不届きな書き込みとかもあったけど、エアスピエルも武さんも絶対に手は抜いていない。

最後の1冠に手を抜いて挑むなら、わざわざ菊花賞になんか出るもんですか!

もっと楽に調教できるレースに出ますよ。

今出来うる限りの最高の戦法と最高の走りを見せつけての3着。

競馬では1着がとれなければ、すべて負けレースになるけれど、エアスピエルファンにとってこれほど嬉しかったレースはありません。

ほれ見たことか、エアスピエルはこんなにもしっかりと3000mを周回出来るじゃないか、適正距離ではなくとも戦える力があるじゃないかと。 

エアスピエルおめでとう~♪

 そして感動をありがとう。

貴方の競走馬生活は始まったばかりなのだから、しばらくはゆっくり休んで疲れた体を癒し、また次のレースでも貴方らしい、一生懸命な走りを見せてくださいね!