また一頭・・・そして、また一頭も
また一頭、競走馬が星になりました。
ベルクロノス号。
デビュー戦でまさかの予後不良・・・。
サラブレットが全力で走るということは、まさに命を賭けているということなのだなぁと改めて思い知らされるのでした。
最後のコーナーを回ってこれから最後の直線に向けて加速をしようとしたとき、ベルクロノス号の挙動が明らかに乱れました。
乗っていた鞍上の福永さんもすぐに異変を感じたのだと思います。
福永さんは瞬時に斜め後方を確認しました。
私の想像ですが、おそらくは馬を外に持ち出すために後続の邪魔にならないかを確認し、そのうえで馬の状態を確認してくれようとしたのだと思います。
それは競走を中止する行為で、騎手が一番躊躇う行動だと思うのですが、福永さんは躊躇わずに馬を止めようとしました。
馬が倒れる前にこの行動を取れる騎手がどれだけいることでしょう。
残念ながら外に持ち出す前に馬が倒れてしまい、福永さんも巻き込まれるように落馬し負傷。
画面の中でピクリとも動かない、動けないベルクロノス号。こんなにぐったりとピクリとも動けずにいる故障馬を私は初めて見ました。大抵はとても痛そうに暴れたり、必死に立ち上がろうとするものですが、それさえもできないほどの痛みだったのでしょう。
その様子に、多分駄目だと思ってはいましたが、その後の情報ではその場での安楽死の処置が取られたそうですね・・・。
競走馬とは生まれてから死ぬまでずーっと命を賭けていなかればならない動物なのだな、と切なくなりました。
それなら馬券を買わねければいいという意見もあるかと思いますが、競馬がある以上それを成り立たせねば競走馬はもっと悲惨な目に合うと思うのです。
現に、功労馬の年金も減らされていると聞くし。
ならば、飼い葉の一本にでもなるかもしれないならばやっぱり私は競馬をしようと思うのです。
そして、ときに見返りがあれば嬉しいし、それを積立てられれば競走馬のために寄付できればな~と思ってる。
とは言っても、私の場合はマイナスなので・・・積み立てる以前の問題ですが、だからこそ貢献はしているんではないかと思うんだ。苦笑。
でもね、大好きな馬が勝つとやっぱり嬉しいんですよ。
勝てなくても着内に来るだけでうれしいし、無事にゴールを切るだけで喜ばしいのです。
そういう賭け事があってもいいと私は思うのです。
話しは福永さんに戻りますが、彼はいつも馬を大切にしたい、というようなことをよくインタビューで答えてあります。
TCCの活動に賛同し、それを全面アピールしているのもその想いが強いからなのだと思うのですが、彼は本当に馬を大切に騎乗しているんだなぁと改めて感じました。
こういう騎手がいてくれる限り、まだまだ競走馬界は変わっていけるのだと思う。
いつの日か、せめて無事に引退できた競走馬たちの全てが幸せな余生を遅れる日が来ますように。
そして、福永さんありがとう。貴方の優しさはちゃんとベルクロノス号に伝わったと思います。
後から知ったことですが、ベルクロノス号は額にとても素敵な❤の流星を持っていたそうです。
こんなに愛らしい子が、デビュー戦で命を失うなんて。
そして、ベルクロノス号の衝撃的な事故の影に隠れてしまったけれど、グレースディアーナという素敵な名前をもらって頑張っていた2歳牝馬も、僅か2戦目のレース中に故障を発症し、予後不良となったそうです。
同じ日に同じような故障で2頭の2歳馬が星になるなんて・・・。
ベルクロノス号もグレースディアーナ号も、どうか安らかに。
そして、福永さん。
ゆっくりとはできないかもしれませんが、しっかりと怪我を治して再度あなたが騎乗する日を楽しみにしています。